【プラスチック製買物袋有料化】なぜレジ袋は有料化されるのか?|2020年7月1日よりスタート

プラスチック製買物袋の有料化が2020年7月1日よりスタート
なぜレジ袋は有料化されるのかご存知ですか?

 2020年7月1日より全国でプラスチック製買物袋(以下、レジ袋)の有料化がスタートします。今までのように、アメ玉1つ買ってもレジ袋に入れてくれていたことが当然ではなくなるのです。

令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化を開始。プラスチック製買物袋の過剰な使用抑制にご協力お願いいたし…

 このレジ袋の有料化に伴うメディアでの報道は、すでに先行して有料化しているスーパーでのトラブル事例の紹介やオペレーション上どのような問題が起きるのか、レジ袋を受け取らないメリットなどの内容が大半を占めています。

・レジ袋は年間1人あたり450枚も使っている。
・エコバッグを使用することでバッグに入る分だけ買うようになるので節約につながる。
・男性が持ちたくなるようなクールなエコバッグの紹介 など

これらは今までエコバッグを持参したことのない人たちへはとても重要な情報ですが、やはり根本の理由をきちんと理解する必要もあります。
子供から「どうしてスーパーにエコバッグを持っていかないといけないの?」と聞かれたら、あなたはどのように答えますか?

海洋プラスチック問題

海洋プラスチック問題

 私たちの日々の生活の利便性を高めているプラスチック製品。スーパーの食品トレーや様々な商品を包装している大部分にプラスチックが使用されています。
日本での今回のレジ袋有料化は、世界中で大きな問題となっている「海洋プラスチック問題」解決に向けた第一歩にすぎません。

 世界に目を向けてみると、すでに69の国と地域でレジ袋の有料化や廃止が行われています。中でもケニアは使用や持ち込みをすると禁固刑や数百万円の罰金など、世界一厳しい罰則を設けています。このように知られていない海外の取り組みも多くあります。では、なぜこのようにプラスチックを減らさなければならないのでしょうか?

食塩にプラスチックが含まれている

 皆さんがお料理をする時に必ずと言っていいほど使う「食塩」にプラスチックが含まれていることを知っていますか?あなたが大切な家族のために作っているお料理で使用している「塩」にも「マイクロプラスチック」が含まれているのです。

 捨てられたペットボトルやビニール袋などのプラスチック製品は、川や海に流されたものが岩や波にもまれ、または山林の中で風や雨に打ち付けられたりして、最終的には小さなかたまり「マイクロプラスチック」となります。
海塩/岩塩/湖塩を含め、9割の塩にこの「マイクロプラスチック」が含まれていると報告されています。

 毎日のように口にしているほとんどの食塩からプラスチックを摂取していることはとてもショッキングですが、さらに問題なのは、呼吸をしたり水を飲んだりをするだけでもプラスチックを体内へ取り込んでしまっているということです。その数は年間平均5万個とも言われているのです。

プラスチックに苦しんでいる動物たち

 数日前にニュース報道がありましたが、南極の体長1ミリにも満たないトビムシの体内にもマイクロプラスチックが発見されました。人間活動から遠く離れた場所にもプラスチックによる環境汚染が広がっていることに研究者たちはショックを受けたようです。

CNN.co.jp

「マイクロプラスチック」と 呼ばれる微小なプラスチック粒子がこのほど、南極の孤島に暮らす小型の節足動物の体内から見つかっ…

 2019年12月にスコットランドの砂浜に打ち上げられたクジラの胃袋には100キロものゴミが入っていました。人間と変わらない70年ほどの寿命と言われているマッコウクジラの10歳の子供です。目を覆いたくなる写真ですが、日常生活では接することのない動物たちにも影響が及んでいることを理解することが、今回のレジ袋有料化、プラスチック問題に繋がっているのです。

膨大な量のごみを食べていたクジラの死体が先日大きく報じられた。海洋動物はなぜプラスチックごみなどを食べてしまうのか、どん…

 これは何だか分かりますか?死んでしまった奈良公園の鹿のお腹から出てきた3.2キロものビニール袋です。お菓子の袋などを食べ、体調を崩して死ぬケースが相次いでいるのです。

地球は人間だけのもの?

 46億年前の地球の誕生から今日までを1年間に置き換えてみると・・・1月1日に地球が誕生し生命が地球上に現れるまでには何億年もかかっています。 そして恐竜が現れたのは12月13日(2.5億年前)、12月26日には絶滅しています。そこからまた時は流れやっと人類が誕生したのは何と12月31日大晦日なのです。 

 地球の誕生から見ると恐竜が誕生したのは12月に入ってから。ましてや人類誕生にいたっては何と大晦日、つまりまだ数時間しかたっていないのです。確かに地球は何度も大きな生物絶滅時期を繰り返してきましたが、それは長い年月をかけて起きてきたものなのです。しかし今の地球環境の変化は地球史上類を見ないほどのスピードで悪化の一途をたどっています。つまり地球にとってみればほんの数時間前に現れたばかりの人類によって大きく体調を崩されていることになります。

 そのことが地球上の生物にも大きな問題を引き起こしています。恐竜の時代以降、1年間に絶滅した種の数を調べてみると、恐竜時代は1年間に0.001種、1万年前には0.01種、1000年前には0.1種、100年前からは1年間に1種の割合で生物が絶滅しているといわれています。

 絶滅のスピードははますます加速され、現在では1日に約100種。1年間になんと約4万種がこの地球上から姿を消しているのです。驚くべきことに、たった100年で約4万倍以上のスピードになっています。そして現在もなおそのスピードは加速を続け、このままではたった25~30年後には地球上の全生物の4分の1が失われてしまうというデータもあります。

 人間以外の生物が住みにくくなる地球は、間違いなく人間にも優しくないのです。

3円かかるからもらわない。たった3円ならもらう

 今回のレジ袋有料化は「たった3円議論」ではなく、なぜプラスチックを減らさなければいけないのか、その根底にある地球規模の課題を真剣に考えてみる良い機会ではないでしょうか。
子どもたちの未来のために満身創痍の地球の治療をしていきませんか?

 「昔は買い物をするたびにビニール袋を無料でもらっていたんだよ。今考えるとびっくりだね!」
数年後、このような会話を当たり前のようにしている世の中になっていれば、地球環境は少しだけ良くなっているかもしれませんね。

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